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お母さん、ありがとう


haha
花桃 お母さん、ありがとう花桃

ライン


私は母とよく似ているらしい。
みんなに言われる。以前は、それがすごくイヤだった。
母が嫌いなわけではなく、照れくさいような変な感じだった。
でも、今は、そう言われたい。
そう言われることで私の中に確かに母の存在を感じられるから・・・。
大好きだったよ、お母さん。

母は、昨年(平成14年)2月、58歳という若さで突然逝ってしまった。
数日前から風邪で体調を崩していて、その日は午前中病院へ行って、
インフルエンザの治りかけでしょうとか言われたらしい。
注射と内服薬を処方してもらい帰宅したが、どうも気分がすぐれなくて
そのままお昼御飯も食べずに寝込んでいたという。
寝ていて急に呼吸が苦しそうになったらしい。
定年退職した父が家にいて、母の様子がおかしいのに気付いて、
すぐに救急車を呼んだ。
病院についたときには、もう心停止の状態だった。
そして、そのまま戻ってきてはくれなかった。
死因は、急性心機能不全。
持病もなにもない、身体は丈夫なひとだった。
スポーツもやっていたし、何にでも前向きに積極的に取り組むひとだった。
そして、なにより子どもが好きなひとだった。
その母が、あまりにもあっけなく、逝ってしまった。

私に連絡が入ったのは、それから6時間以上経った後だった。
妊娠6ヶ月の私に、誰もなんと告げたらよいのかわからなかったのだろう。
結局、夜9時過ぎに父が電話してきた。
ダンナは残業中で、私はうちに一人だった。
このときほど、インターネットの存在を有難く思ったことはなかった。
すぐに、航空会社のHPに繋ぎ、翌日朝一で飛行機のの手配をした。
そのあとのことは、あっという間に過ぎてしまい、よく覚えていない。
自分の身に起こったことが、まるで映画かドラマの出来事のように感じた。

似ているからこそ、反発した。本気でケンカした。
でも、とっても大好きだったよ。
自分が母になって、思った。こどもを産んで育てるって大変なんだね。
産んでくれて、ありがとう。育ててくれて、ありがとう。
孫の顔、見せてあげられなくて、ごめんね。
私、頑張るから、ずっと見守っていてね。

お母さん、ありがとう。


ライン


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